地の歌

誰もいない湿原の真ん中に一人立っている。

やがて陽が昇り始めると、地面は音楽を奏ではじめる。

チチチチ・・、パチパチパチ。
一面にはった氷が溶け始める音である。

冬の間、凍てついていた土がゆるむ音である。

これは命の音である。
高尚にして権威有る天の声など知らぬ草木が、

再生の喜びを奏でる音である。


長野県 池ノ平湿原

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